はじめに
ご挨拶
「アニメーションブートキャンプ」は、日本のアニメーション業界と教育界と が連携し、新たな人材育成プログラムの方向性を見つけ出すことを目的 として、2012年から実施しているワークショップです。
優れた創造性と高い技術力で名声を得てきた日本のアニメーション界が、今後も必要とするのは、表現に対する明確な意識を持ち、それを実現するための技術を自己開発していくことのできる人材ではないでしょうか。
既存の作品の表現をパターン化してコピーのように模倣するのではなく、日常を観察し、自身の身体を動かし、体験を通して演技を考え、創り、それをアニメーションとしてきちんと表現できる人材を育てることが、今の日本のアニメーションの長所を生かしながらも、さらなる高みを目指すことにつながるはずです。
現在、アニメーション教育を行う専門学校や大学等の教育機関も多くありますが、創造性と技術の教育のバランスをとることは難しく、業界を活性化する人材を育成するためには、カリキュラムや教育方法など、改善すべき点があるように思われます。一方のアニメーション業界においては、オン・ザ・ジョブによる先輩から若手への現場教育が機能不全をおこしているスタジオが少なくありません。「アニメーションブートキャンプ」は、これら産学双方における様々な人材育成の課題を明らかにし、実践を通じてそれらを解決する方策を見出していくことを目指します。
業種の違いや所属機関の違いなどを越えて、様々な立場の人たちが参加し、知恵を出しあい、これからの時代に即した人材育成方法を開発していくプラットフォームとして、今後も「アニメーションブートキャンプ」は進化を続けます。
アニメーションブートキャンプ ディレクター
竹内孝次
布山タルト
運営スタッフ
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プログラムディレクター
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アニメーションプロデューサー、東京アニメアワードフェスティバル フェスティバルディレクター。 1953 年生まれ。1976 年に株式会社日本アニメーションに入社。1980 年、株式会社テレコム・アニメーションフィルムに移籍。元テレコム・アニメーションフィルム最高顧問。2016 年より東京アニメアワードフェスティバルのフェスティバルディレクターを務める。
【代表作】
『母を尋ねて三千里』『あらいぐまラスカル』『未来少年コナン』『赤毛のアン』『名探偵ホームズ』『じ ゃりン子チエ』『リトル・ニモ』 -
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授。博士(学術)。1990年代からアニメーション作品を制作。2000年代からアニメーション制作デバイスの開発を始め、国内外の美術館や科学館等で体験型展示やワークショップを行う。開発したコマ撮りアプリ『KOMA KOMA for iPad』は、世界で170万本以上ダウンロードされている。日本アニメーション学会副会長/事務局長。日本アニメーション協会理事。
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プログラムプロデューサー
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プロデューサー。1964 年宮崎生まれ。京都大学卒業後、1987 年日本放送協会(NHK)入局。2000年、デジタルアート作品の公募番組『デジタル・スタジアム』、2003 年『デジタルアートフェスティバル東京』などの番組及びイベントの企画、制作を行う。2008 年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授就任。2010 年 4 月から NHK E テレで毎週月~金放送中の『2355』『0655』を企画、チーフプロデューサーとして制作中。2012 年 3 月から NHK E テレで放送『テクネ~映像の教室』、2012 年 6 月放送 NHK みんなのうた『moon festa』、同 8 月放送『ヤミヤミ』の映像プロデュースなどを行う。
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マネージャー
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東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻助教、大阪芸術大学大学院動態表現(映画・映像)専攻修了。2008 年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の開設から教育研究助手として 4 年間勤務。アニメーション制作を行いながら、アニメーション教育や短編アニメーションのプロデュースにも携わる。静岡文化芸術大学、駿河台大学非常勤講師。
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